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東海大学付属福岡高等学校

決勝のみどころ

県大会8連覇、過去14回の選手権全国大会出場という伝統の“タイガー軍団”が12大会ぶりに決勝の舞台に帰ってきた。
東海大福岡という現在の校名に変わってからは、初の決勝戦。
過去22回の選手権全国大会出場を誇る東福岡との頂上決戦に挑む。

90回・91回と県大会を連覇、さらに2大会連続で全国の開幕戦、国立のピッチに立った。
それ以来、遠ざかってきた県決勝・全国という選手権の大舞台。
12大会ぶり15回目の全国へ、チーム一丸で挑む。

チームを率いるのは、伊藤良太監督。38歳の熱血監督だ。 2010年から14年間、東海大福岡でコーチを務め、今年3月、15年にわたり指揮を執った大丸忠前監督からチームを引き継ぎ、3代目の監督に就任した。

新監督の就任後、東海大福岡は新たな目標を掲げた。それは「日本一」。
就任してほどなく、伊藤監督は選手たちに問いかけた。「どこまで行きたいのか?」
それまでは、「県で1番になる」など、目指すところは選手によってバラバラだった。
東海大福岡の礎を築き、現在、岡山学芸館でゼネラルアドバイザーを務める平清孝さんは選手権101回大会、岡山学芸館で日本一を経験。
「平先生、大丸先生の礎があって今がある。その中で『僕たちも日本一を連想させてもらっていいのではないか』と思い、高い目標設定をしました」 と伊藤監督は話す。

目標を掲げ、練習を積み重ねていく中で、選手たちの取り組む姿勢は大きく変わった。
日々の練習、準備、道具の扱い方など、「日本一」になるためにはどうすべきかを考え、徹底した。 「みんなで日本一になろうと言い続けてきた」キャプテン⑥永田を中心に、絆の強い3年生がチームを引っ張ってきた。 「選手たちに主体性が出てきた」と伊藤監督が手応えを感じ始めた夏、その変化は結果にも表れた。

今年夏のインターハイ予選・準決勝。去年のインターハイ予選、選手権、今年の新人戦と3大会続けて準決勝で敗れていた飯塚を相手に、2-0で勝利!
「日本一を掲げて 飯塚に勝利できたのは自信につながった」と選手たちは振り返る。
ピッチ上の選手だけでなく、応援席の選手、学校全体の雰囲気にも変化が生まれた。
インターハイ予選・決勝は福大若葉に0-1で敗れたものの、「変化」を実感したチームは自信をつけていった。

遠征やカップ戦などで強豪相手にも良い勝負を展開し、力をつけて迎えた選手権。
今年3度目の対決となった飯塚との準決勝は、激闘となった。
前半5分、東海大福岡はコーナーキックから⑩倉田連のゴールで先制。
その後は東海大福岡が守る展開が続き、後半は、県大会3連覇を目指す飯塚に押し込まれる時間が増えた。そして後半36分、飯塚⑮森本快が左足を振り抜き同点ゴール。
延長戦も見えてきた時間だったが、キャプテン⑥永田は「絶対にこの5分間で決めてやると信じていた。」その思いが、決勝ゴールを呼ぶ。
後半アディショナルタイム、⑳福田のロングスローのボールを途中出場の2年生・⑱田中蒼大がワンバウンドで合わせ右足一閃。劇的な決勝ゴールが決まった。
2-1で東海大福岡が勝利、12大会ぶりの県大会決勝進出を決めた。

今年は選手の突破力とスピードを最大限に生かすサッカーを展開してきた。
⑩倉田は、プリンスリーグ九州2部でチーム最多の15得点。圧倒的なスピードと高い決定力で勝利を呼び込む。 ⑨池田は運動量と闘争心でチームに貢献。ポストプレーから⑩倉田を生かす。万能型FWの⑬大山は足元の技術でチャンスメイク。
チームの心臓は⑥永田。ボール奪取、効果的なパスや自らのシュートで攻守に貢献する。
広い視野と足元のテクニックが光る⑦浅香、キレのある動きでスプリントを繰り返す⑧梅本がインサイドハーフ。
左SBには強度の高い守備と高精度のCKが光る②濱口、準決勝・ロングスローで決勝点をアシストした⑳福田と強力な2人がそろう。 右SBには対人の守備に強い⑤斉藤。好セーブでチームを救うGK①中村海星、空中戦に強い③長谷川・④鈴木のCBが堅守の中心だ。
サブには「流れを変える切り札」として期待の高い⑪松﨑、準決勝で決勝ゴールの⑱田中蒼大が控える。

「日本一」という目標を掲げて、飛躍的な成長を遂げてきた東海大福岡。
キャプテン⑥永田は「準決勝の勝利は、1年間やってきた結果。日本一になるために頑張ってきた。決勝に勝利して絶対に全国に行く。景色を変える」と決勝へ意気込む。
新監督とともに高い目標を追いかけ、進化してきた“華麗なる猛虎”12大会ぶりの全国へ、戦う準備は整った。

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