INTERVIEW 先輩インタビュー

制作スポーツ局スポーツ部
N.I.(2024年入社)

華やかな世界を支える、地道な努力。 番組作りは、スポーツに似ている。

プロフィール

福岡県北九州市出身。関西学院大学卒業後、福岡放送に入社し、スポーツ部に配属。「めんたいワイド」のスポーツコーナー(めんスポ)と「夢スポ」のディレクター、野球中継のフィールドディレクターを担当。

人がやっていないことを

私は、スポーツが大好き。
小学生時代は陸上競技。中学ではハンドボール。高校では、男子部員に交じってラグビーをやっていました。

ラグビーを始めたのは、福岡県のタレント発掘事業がきっかけ。
「ラグビーにむいてるよ」と言われ、未経験でしたが、挑戦してみたい!と思ったんです。

私は幼い頃から、「人があまりやっていないことに挑戦したい」という気持ちを持っていました。
テレビ業界を受けたのも、限られた人しか働けない業界だし、率直に面白そうだと思ったから。

別の業界の企業からも内定をいただいていましたが、FBSならスポーツにも携われるかもしれないと思い、入社を決めたんです。

FBSに対しては、北九州の実家で暮らしていた頃から、福岡への強い愛と、地域の人々からの強い支持を感じていました。福岡でいちばん愛されているイメージでしたね。

また就活を通して、会社の明るいカラーや温かい雰囲気が私にあっているなと感じていました。

スナップ写真

新人ディレクターの挑戦

面接の時から「スポーツ部でがんばりたい!」とアピールしていたので、スポーツ部に配属された時はすごくうれしかったです。

ただ、新卒の女性社員がスポーツ部に入るのは私が初めて。不安もありました。

実際、普通はADからスタートするのですが、スポーツ部はいきなりディレクターを任されるので大変でした。

最初に担当したのは、「めんたいワイド」の中にある3分半のスポーツコーナーです。
まずは、ネタ探しからスタート。
たくさんのスポーツ新聞やネットの記事を確認してネタを決め、編集マンに画を繋いでもらいます。

ネタが決まったら、次は原稿づくりです。自分で書くのですが、これがまた難しい!
最初は書き方もわからなかったし、小学生の作文みたいだったと思います(苦笑)。

先輩の原稿を見て、構成や表現方法を学び、書いた原稿を先輩に見てもらっては、書き直す。 最初はその繰り返しでした。

スポーツ部は、いちばん歳が近い先輩でも9歳上。
ベテランのすごい方ばかりなんですけど、皆さん親身に教えてくださったので本当にありがたかったです。

球場で戦っているのは、選手だけじゃない

私たちスポーツ部にとって、球場も大切な仕事場です。
福岡ソフトバンクホークスのホームゲームがある日は、必ず足を運びます。

初めてスタッフとして球場に入った日は、めっちゃワクワクしました。
わぁすごーい!ギータがいる!みたいな(笑)。
でもそんな気分はすぐに吹き飛んでしまいましたけど。

中継がある日は、放送席でFD(フィールドディレクター)を担当します。
尺出し(時間などを伝える)をしたり、カンペを出すのが主な仕事。
中継車からの指示を放送席に伝える役割です。

例えば、「このバッター終わりにCM入ります」とか、「次はこのVTRにいきたいから誘導してください」とカンペに書いて、アナウンサーに伝えたり。
一見、簡単なようですが、聞いたことをすぐに書いて出すのはとっても難しいです。

そのうえ放送席は緊張感がすごくて、最初は心臓もばくばく。
パニックになって、失敗もたくさんしました。
でも、怒られるということはなかったですね。
それよりも、「次!次!」という感じ。

現場は常に動いているので、切り替えが大事。試合とよく似ている気がします。

中継がない日は、球場の記者席でスコアブックをつけながら、最後まで試合を見ています。

スコアのつけ方も入社してから勉強しました。
後で振り返る時に役に立つんです。

ちなみに、ナイターがある日の夕食は16時。
球場内の食堂でスポーツ部のみんなで食べます。
だから、後でおなかがすくんですよね(笑)。
帰宅後につい夜食を食べちゃうので、かなり太りました。
これ、スポーツ部の「あるある」かもしれません(笑)。

ビールかけ会場で、タックル!

1年目で特に印象深かったのは、「ビールかけ」の中継ですね。
ホークスがリーグ優勝を決めた日の夜。
優勝を祝って行われるビールかけの会場で、「引っ張り」を担当することになったんです。

「引っ張り」とは、文字通り、選手をFBSのカメラとアナウンサーのところに引っ張ってくる役割。
当然ですが、人気選手は他局との激しい取り合いになります。

先輩から「1人目が大事だぞ」と言われたので、「わかりました!1人目、山川選手を引っ張ってきます!」と、私、宣言したんです。

ビールかけが始まり、球団広報の合図があったと同時にスタートダッシュ!
でも会場はものすごい人込みで、一瞬、山川選手を見失ったんですが、野生のカンで見つけて、ほぼタックル(笑)。
ガシッとつかまえて、「FBSです!」とカメラの前に連れていくことができました。

あの時は、ラグビーの経験が活きましたね(笑)。
試合のつもりでガツガツ行きましたから。行くぜー!って感じで(笑)。

おかげでその後も次々と人気選手をゲット。先輩にもめっちゃほめられました。
「やるやん!」「お前すごいなぁ!」って(笑)。全身にビールを浴びて、次の日までめっちゃ臭かったけど、いい思い出です。ぜひまたやりたいですね。

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いつか、夢の舞台へ

「夢スポ」では、1年目からいろんなスポーツの取材もさせていただきました。

最初はインタビューの仕方もわかりませんでしたから、何もわからずに行って、何もわからずに帰ってきたこともあります。
こちらの緊張が伝わって、取材相手から「大丈夫?」と心配されたことも…(苦笑)。

少しずつ経験を積むにつれてわかってきたのは、準備の大切さです。
その点もスポーツと同じだと思いました。
しっかりと準備をして、取材当日は笑顔で、会話のキャッチボールをすることを、今は心がけています。

この1年で改めてスポーツの力も感じました。
スポーツは、人の心を動かすことができます。

これからも見ている人に感動を与えられるような番組を作っていきたいし、もっといろんなスポーツを深く知っていきたい。

夢は、海外の取材に行くことです。
特に、学生の頃にあこがれていたオリンピックに行ってみたい。

いつか、あの会場の熱狂をたくさんの人に伝えることが、私の新しい夢です。

メッセージ

テレビ業界がこれからどうなっていくのか。
危機感はありますが、今はあまりに毎日が刺激的すぎて、正直、不安は感じていません。

本当に人がやれないことをやれますし、大変な仕事だけど、やりがいもあります。

しかもFBSは、人が温かくて面白いです。
そしてみんな、お酒が強い(笑)。

仕事のアドバイスもたくさんしてくれますし、プライベートの相談もできる、たよりになる先輩ばかりです。

あと、テレビ局は休みが少ないイメージがあると思いますが、しっかり休みはとれます。
希望を出したら、たいてい「いいよー」と言ってもらえます。

それから最後に、面接についての個人的なアドバイスを少し。

私は、根性と元気と明るさ!この3点をアピールしました。
最終面接では、びっくりするようなお題を言われるかもしれませんが(私の時は『ここで食レポをしてみて』と言われました)、遠慮は全くいらないと思います。

積極的に、ショートコント「面接」くらいのマインドで(笑)、自分を思いきり表現してみてください!
自分の色を出すことがいちばん大事だと私は思います。

このインタビューは2025年に
取材したものです。

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