INTERVIEW 先輩インタビュー

報道局報道部
K.U.(2022年入社)

成長途上の自分だからこそ 伝えられることがきっとある。

プロフィール

福岡放送に入社後、1年目から報道部に配属され、警察担当の記者を経て、3年目から朝の情報番組「バリはやっ!」のスポーツコーナーのディレクターを担当。

教員か、テレビ局か

小さい頃からテレビが大好きでした。

でも、高校、大学が寮生活で、テレビが見れない生活だったんですよ。
そのおかげで改めてテレビの大事さに気づいたんです。

入学当初は教員になることも考えていたんですけど、就活ではテレビ局に絞って活動しました。
教員の世界はまぁなんとなく想像できるし、テレビのコンテンツを自分で作ってみたいと思ったんです。

不安はなかったですね。
ネットの時代ですが、僕は今でもテレビがいちばん面白いと思っているので。

だからこそ、これからもテレビを残していきたいし、そのために貢献したいと思っていました。

その1割を、拾い上げろ

報道部への配属は、自分で希望しました。

大学時代は野球ばかりで、ニュースも見たこともなかったんですけど、だからこそ逆に報道部を希望したんですよ。
やったことのないことをするために入社したんだからと思って、ほんとに興味本位で(笑)。

だから最初は苦労しましたね。

1年目は警察担当。

朝起きたら、まず警察に行って、広報担当官の話を聞くことから1日が始まります。
その後、事故現場や事件現場に行って取材をしたり、担当警察官の出勤時間や退勤時間を狙って話を聞きに行ったり。

そうやって1日中取材をしても、大きな進展がないことのほうがほとんどで、重要な情報は1割ほどしかありません。
でもその1割を取り逃さないために取材を重ねるのが、警察担当の仕事なんです。

ところが最初は、世の中を知らなさ過ぎて、苦労しました。
「銃刀法」とか「刃渡り」とか、聞いたことのない用語ばかり(苦笑)。
せっかく答えてもらっても意味がわからないことが多く、他局の記者からもあきれられていたと思います。

報道記者って、なりたくてずっと勉強してきた人ばかりなんですよ。
そういう人たちと横並びで取材をしないといけないので、なんとか追いつきたくて必死に勉強する日々でした。

でも、自分としてはずっと楽しかったですね。
いろんなことに興味があったし、理解し始めると、面白いことや役立つことばかりで、得したなという感じで(笑)。

そのうちに自分なりに発信したいことも芽生えてきて、徐々にやりがいも感じるようになっていったんです。

「占部君やったら、いいよ」

特に印象に残っている仕事は、2年目に担当させてもらったドキュメント番組「目撃者f」です。

久留米の大雨災害を取り扱った30分番組でした。
たまたま災害の起こる前から自分が取材をしていたので、上長から「やってみるか?」と声をかけていただいたんです。

主人公は、土石流の被害者でした。

現場へ駆けつけたら、崩れた山から下りてきた人がいて、その方が当事者だったんです。

被災者に声をかける時は勇気がいります。
実際、最初は撮影を拒否されましたし。

でもその1週間後、どのテレビ局も報道しなくなった頃に、個人的に気になって被災地へ行ってみたんです。

そうしたらその当事者と再会できたんです。
でもすぐには取材できませんでした。

毎日通いましたが、ずっと後片付けのボランティアをしていました。

ハンディカメラは持って行っていましたが、どうしてもRECボタンは押せなかったですね。

そのうちに少しずつ打ち解けてきて、「他のテレビ局の取材は受けてないけど、占部君やったらいいよ」と言っていただけたときは、本当にうれしかったです。

テレビ局に入社して、テレビを見る人から、取材をする側になったわけですけど、正直、取材する側の人の中には、横柄だなと感じる人もいるんですよ。

でもそれじゃあ、相手が心を開いてくれるわけがない。
行きつくところは、人としてどうなのか。
人としてどうあるべきなのか。

何よりも人間性が大事なんだということを、被災地の取材を通して学んだ気がします。

スナップ写真

知らない人の視点でつくれ

2年間の報道記者を経て3年目からは、朝の情報番組「バリはやッ!」のディレクターを務めています。

同じ報道部でも、記者時代とは働き方が全然違います。
1日中会社にいることが多いし、スーツも着ませんし。

僕が担当しているのは、朝5時からのスポーツコーナーです。

まずはどのスポーツニュースを取り上げるかを、プロデューサーと相談して決定。
ホークスやアビスパなどの試合の映像を編集し、原稿を書き、テロップを付けるといった仕事を4名で分担しています。

放送で試合を見ながら原稿を書くんですが、勝ち試合のつもりで書いていたら、最終回に逆転されてしまって書き直し…なんていうことも。
とにかく臨機応変さが求められます。

でも個人的にいちばん苦労しているのは、野球を知らない人の視点で作らないといけないことですね。
小学3年から大学までずっと野球をやってきたので、そこはすごく悩みました。

最初の頃、先輩から言われたんですよ。

「お前には面白いかもしれないけど、フツーの人にはわからないよ」って。

ショックでしたけど、確かにそうだと納得しました。
それからはずっと、視聴者にとって面白いかどうか?を意識して作るよう心がけています。
おかげで違った角度から野球を見られるようになりました。

プロ野球選手ってすごいな!高校野球って熱いな!とシンプルに思えるようになり、単純に「野球が好き」という自分に立ち返れたような気がします。

「行ってこい!」と背中を押してくれる会社

FBSの良いところは、なんでもすぐにやらせてくれるところだと思います。

経験を積んで、ちゃんと知識を身に着けてからやるというよりも、「わからんかもしれんけど、行ってこい!」と背中を押してくれるのが、FBSという会社(笑)。

そういう社風が、僕にはあっていました。
だって、やってみないとわからないことのほうが多いじゃないですか。

2年目でドキュメントの制作を任された時もそう。
30分番組の台本を書くのは初めてでしたし、本当に大変でしたけど、自分にとってはすごくプラスになりました。

つい、放送も見ちゃいましたね。
さんざん見た映像なので見ないつもりだったんですけど、気になっちゃって(笑)。
自分の作品なので、かわいいんですよね。

また客観的に放送を見ることで、「もっとこうしていたらよかった」という反省点にも気づくことができたので、次に活かしたいと思っています。

咲ける場所は、1つじゃない

これからの目標は、自分が伝えたいことを、伝えるべき人に、100%的確に伝えること。

そこを突き詰めていきたいと思っています。

それをめざす場所は、報道部なのか、また別の部署なのか。

自分がどこで咲きたいかは、今はまだ悩み中です。

学生時代はずっと野球をやってきましたし、入社前は「スポーツなのかな?」と思っていたんですけど、そうじゃないかもしれないと今は感じています。

テレビって、知らない人が見るものなので。
ニュースもそうだと思うんです。

世の中のことをよく知らなかった僕が作るニュースのほうが、視聴者にとってわかりやすいんじゃないか。
最近そう思うようになりました。

これからもどんどん新しいチャレンジをしながら、自分だから作れるもの、自分だから伝えられることを、見つけていきたいと思っています。

メッセージ

社会に出てから学ぶことも非常に多いんですが、学生時代の経験や出会ってきた人は、今の自分を支えてくれている、かけがえのないものだと感じています。

社会人になって必要なことは、社会人になってからたらふく経験できるので、今は学生時代しかできない貴重な経験をたくさんしてください。

その経験は、社会に出た時に自分らしく楽しく仕事をすることにつながっていくと思います。

しかも、FBSには、個人の感性を尊重してくれる風土があります。
感性が今どきというか、自分がやりたいことをやるべきだ、という雰囲気があるんです。

だからこそ、今までテレビを見てきたどうかに関わらず、皆さんが学生時代に経験したことを存分に活かせる場所だと思います。

このインタビューは2025年に
取材したものです。

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