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2020.05.28

あの人気スターの自宅が水浸し?『有吉の壁』が生んだお笑いの新様式に注目!

ソーシャル・ディスタンス。最初は聞き慣れなかったこの言葉も、だいぶ世間に浸透してきました。とはいえ、実際に飲食店などに行くと意外にこれが難しいことに気づきます。1人ならまだしも、2人、3人と複数で訪れたりすると、かなり変則的な並びになったり、別々のテーブルに座らなければならなかったり。「新生活様式」に慣れるまでには、サービスを提供する側も受け取る側ももう少し時間がかかりそうです。

一方、自粛生活やテレワークによって家族と一緒に過ごす時間が増え、「ファミリー・ディスタンス」は縮まった、という家庭もあるようです。独り身の僕はというと、この記事を書くようになって「TVディスタンス」が以前よりもずいぶんと縮まりました。それは心理的にも物理的にも。物理的なディスタンスが縮まった要因は、加齢による視力の衰えにほかなりませんが(泣)。

さて、毎週水曜日の楽しみといえば、『有吉の壁』。今回も大いに笑わせていただきました。過去放送分を再編集した「おもしろキャンパスの人選手権」は、なんといっても「お助けガチャ」の人選が秀逸の一言。懐かしのトランプマン、女子レスリングの浜口京子さん、そして天龍源一郎さんの登場には、プロレスファンとして思わずテンション爆上がり。相変わらず何を言ってんのかさっぱりわかりませんが、それこそが天龍源一郎です。滑舌のいい天龍など天龍にあらず。言葉の内容なんて些細なこと。あれでイイんです。

この「おもしろ〇〇の人選手権」シリーズはこの番組に欠かせない人気企画ですが、自分もその場にいるような感覚になれるところが魅力と感じています。有吉さんと佐藤栞里さんの2人がゆるい感じで町や施設を練り歩き、一視聴者のように楽しむことで(もちろんMCとして高度な差配をしつつですが)、視聴者は2人に自身を重ね、臨場感をもって芸人たちのネタに大笑いできるのではないでしょうか。

リモートワークで爆笑をさらう。スターになりきって自宅公開!
もう1つの企画は、前回好評だった「なりきりスターのおもしろ自宅公開選手権」の第2弾でした。前回に引き続き自室を水浸しにする暴挙に出たのは、とにかく明るい安村さん。ただ悲しいかな、前回ほど注目されず。それでもやりきった、どこか満足げな表情は神々しくすらあります。そのほか、星野源さんの「うちで踊ろう」を「土で踊ろう」ともじって部屋に土をバラまくトム・ブラウンの2人、長渕剛さんに扮して「セイヤ!」と部屋中に墨汁をぶちまけるさらば青春の光の森田さんなど、今をときめく芸人たちの「Stay Home」は、予想以上にアグレッシブでエネルギッシュ。というかこんな「Stay Home」は全力で拒否したい。もはやひたすら自宅を汚しているだけなんじゃないかと言わんばかりで、もし自分の家で同じことをやられたら、と考えると悪寒がします(笑)。

ひと際シュールだったのは、パンサーの尾形さんと菅さん。他の芸人たちがミュージシャンや映画のキャラなどになりきるなかで、2人が扮したのは、まさかのマハトマ・ガンディーと関羽雲長という歴史上のスター。生きた時代に1700年ほどの開きがある2人が、戦争と平和について議論するシュールな世界観は個人的に大好きでした。尾形さん愛用のスニーカーを窓から放りなげるわ、おしゃれな部屋の壁にマジックで落書きするわ、さすが三国志きっての名将・関羽さん。攻撃に容赦はありません。

それにしても称賛すべきは芸人たちの懸命さ、必死さ。たった一度の笑いにかける意気込みと覚悟には感嘆を超えて畏敬の念すら覚えます。売れっ子になるには、やっぱり理由があるんです。

今は新型コロナウイルスの影響により、TVもこれまでにない形での番組制作を余儀なくされていることでしょう。ただ、こういった状況は、一方で新たなアイデアの源泉となりえるもの。この「自宅公開選手権」といった試験的な企画のなかから、今後バラエティの定番となるような新たな人気コンテンツが生まれるかもしれません。まだまだ試行錯誤の連続でしょうが、どんどんチャレンジしてほしいなと思います。
「自宅はもう勘弁して」
との声がとにかく明るい安村さんあたりから聞こえてきそうな気がしますが(笑)。
イラスト鎌田かまを

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