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一瞬の幸せ 警固界隈の孤独
2025.05.25

一瞬の幸せ 警固界隈の孤独

今回の目撃者fは、

福岡市・天神の警固公園。 夜になると集まってくるのは、家庭や学校に居場所をなくした子どもや若者たち。

新宿・歌舞伎町の“トー横界隈”になぞらえ、“警固界隈”と呼ばれる。

「オーバードーズ」や「売春」など危うさが漂う夜の公園に、何を求めてやってくるのか―。そして、その先にあるのは―。

20代のディレクターが、少年少女が抱える“孤独”“生きづらさ”に耳を傾けた、約1年間のルポルタージュ。

一瞬の幸せ 警固界隈の孤独

ディレクターが公園に足を運ぶたびに見かけた、16歳のナギサ(仮)。徐々に話をするようになると、学校や家に居場所はないと語った。

小学校時代にいじめを受け、公園に来てからは親とも連絡を絶ったという。「一瞬の幸せを求めて」たどり着いたのが、似たもの同士が集う夜の警固公園だった。
一瞬の幸せ 警固界隈の孤独
“警固界隈”の輪の中心にいた16歳のユースケ(仮)。高校退学を機に、親から家を出るよう迫られたという。

終電が近づくと自宅に帰る子どもたちがいるなか、彼は公園の人工芝の上で一夜を明かした。

取材を続けるなか、9か月ぶりに夜の公園でユースケに再会した。充実した表情で口にしたのは仕事のやりがい。

塗装の仕事を始めたという。しかしわずか2週間後、彼の姿を公園で頻繁に見かけるようになった。そのワケは―。
一瞬の幸せ 警固界隈の孤独
支援グループが警固公園で行ったアンケートによれば、3人に1人はオーバードーズや自傷行為を経験。2人に1人が「死にたい」と思ったことがあると答えている。

心に傷を抱えた子どもたちの、医療現場に足を運んだ。この病院に入院する16歳のアヤカ(仮)。両親のケンカを見るのがつらく、オーバードーズや自傷行為で現実逃避していたという。

患者同士がつらい経験などを語り合う場で、「もっと母に頼りたい」そうアヤカは語った。数日後、退院に向け母親との面談を控えていた。言えなかった思いを伝えられるのか―。

警固公園には、“界隈”に寄り添おうとする大人たちの姿も―。「転んでは立ち上がる、そのときに背中を押せたら」友だちのような、母親のような優しさ。
一瞬の幸せ 警固界隈の孤独
夜の公園をさまよう若者たちが探し続けていた“寄る辺”のように見えた。

「一瞬の幸せを求めて」夜の公園に集う“警固界隈”。しかしそこにあるのは、かりそめの幸せ。

彼らの孤独と、どう向き合うべきなのだろうか。


目撃者f
2025年5月25日(日)深夜1時25分

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