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2021.11.14

保育園バスに取り残されて

やーっ!FBSジゃーナル編集部です!

今回の目撃者fは、

ことし7月29日、福岡県中間市の双葉保育園に通っていた倉掛冬生ちゃん(5)が、送迎バスに9時間にわたって置き去りにされ、死亡しました。死因は熱中症でした。

この事件の背景として浮かび上がってきたのは、保育園のずさんな安全管理体制。

なぜ冬生ちゃんは命を落とさなければならなかったのか―

番組では、遺族の証言や保育園側の説明、行政の調査結果などから事件を検証するとともに、子どもたちの安全をどう確保するのか、試行錯誤を続ける保育現場の今を伝えます。


どんなに暑かったか ~保育園バスに取り残されて~

冬生ちゃんが通っていた双葉保育園をめぐっては、警察が業務上過失致死の疑いで捜査を進めているほか、福岡県と中間市が特別監査を行いました。

その過程で、2年以上前から園長1人で送迎バスを運行していたことや、職員どうしで園児の出欠をきちんと確認していなかったことなどが、次々と明らかになりました。

常態化していた、ずさんな安全管理体制。事件直後に急きょ開かれた保護者説明会では、園長は事件が起きた原因について曖昧な答えに終始し、保護者の間に不信感が広がりました。

事件からおよそ2か月後、孫の死を無駄にしたくないと、冬生ちゃんと一緒に暮らしていた祖父が、私たちの取材に応じました。

自宅の畳に残る、チョコレートをこぼした跡。「ちょっとやんちゃだった」という冬生ちゃんの姿を思い浮かべながら、祖父は「園長がバスを降りる時にチェックさえしてくれていたら…歯がゆい」と、やりきれない思いを語りました。

「どんなに苦しかったか、どんなに暑かったか、どんなに寂しかったか、どんなに怖かったかと思うと、胸が張り裂けそうになります。

なぜ、冬生があんなに苦しい思いをして、たった5年で命を絶たれないといけないのでしょうか」体調を崩している冬生ちゃんの母親も、文書で悲痛な胸の内を明かしています。

福岡県内では14年前の夏にも、北九州市小倉北区の保育園で、浜崎暖人ちゃん(当時2)が園の車に取り残され、死亡する事件が起きています。

暖人ちゃんの遺族は、悲劇が繰り返されたことに対してやるせない心情を吐露しました。

子どもたちの安全に細心の注意を払うべき場所で再び幼い命が失われた事実に、保育現場には大きな衝撃が走りました。

春日市にあるオハナ保育園は、送迎バスを運行する際、運転手に加えて必ず1人は保育士が乗車し、園児が降りた後には、必ずバス内の写真を撮影して共有する徹底ぶり。

さらに園児の安全確保のあり方について、職員会議を開くなど試行錯誤を重ねています。それでも園長は言います、「当たり前以上にしなきゃいけない、僕らは」。


目撃者f
2021年11月14日(日)深夜1時25分

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