番組向上への取り組み

番組審議会だより
第629回(2026年9月16日)

審議対象番組
番組審議「バカリ教授の九州県人ガラパゴス進化論」 (制作部)
放送日時
(前編)2026年7月24日(金)19時00分~19時56分
(後編)2026年7月31日(金)19時00分~19時56分

議事の概要

「バカリ教授の九州県人ガラパゴス進化論」

【番組内容】

 本州の人々からは「九州は一つ」とくくられがちですが、隣同士であっても全く通じない、独自の“ガラパゴス的進化”を遂げた文化・風習・常識が数多く存在します。熊本の謎文字「圣」、佐賀の「ワンワンワン」等々、独自調査で判明した各県の“知られざる常識”の数々。福岡県出身で全国的に活躍するバカリズムさんと井桁弘江さんの2人が“九州の事実”を徹底解剖。日本テレビ系列九州各局との共同で制作されたブロックネットの番組として、7月24日(金)と31日(金)よる7時からのゴールデンタイムに2週連続で放送されました。

委員のご意見

  • 九州人による九州人のためのバラエティ番組というコンセプトがとても明確で、番組全体を通して九州という地域について非常に身近に感じるものだった。「九州は一つ」とひとくくりにされることもあるが、実際には各県ごとに文化や食、方言、暮らし方、県民性などかなり違いがあり、そうした違いを堅苦しい感じではなく、ユーモアを交えながら楽しく紹介していた点が印象に残った。
  • 「ガラパゴス進化論」というタイトルも非常に面白い。少し大げさな表現ではあるが、それぞれの地域が独自の環境の中で独自の文化や習慣を育んできたことを前向きに捉えるタイトルだった。
  • 同じ県内でも地域ごとの違いがあると思う。今後は県単位だけでなく、市町村単位で掘り下げていくことで、さらに新たな発見につながるのではないかと感じた。
  • 地域の違いを面白く取り上げながらも、誰かを否定したり特定の地域を揶揄したりすることはなく、自分たちの地域を楽しむ温かさが感じられる番組だった。九州に住む人には共感を、九州以外の人には新鮮な驚きを与える内容だった。
  • クラシックの荘厳な音楽をコミカルな場面や見どころで効果的に使う演出が印象的だった。新テーマ発表時は「新世界」、最後のまとめは「威風堂々」で統一されており、曲名までは分からなくても耳なじみのある楽曲が使われていたことで、テーマごとの演出が分かりやすかった。
  • 福岡出身のバカリズムさんと井桁弘恵さんが、知らないことに素直に驚き、謎や面白い部分に自然体で反応していたことも好印象だった。視聴者目線に近い進行で、とても見やすい番組だった。
  • 単なる県民あるあるではなく、鹿児島の降灰や長崎のドローン配送など、一見異なる話題にも、その土地ならではの環境や歴史が独自の文化を生み出しているという共通点があり、それを「ガラパゴス進化」と表現している点に番組の面白さがあった。
  • 今後も続けるのであれば、「こんなに変わったものがある」という紹介だけで終わるのではなく、なぜその地域で生まれたのかという背景までさらに深掘りしてもらえると、より興味深い内容になると思う。
  • 番組冒頭の桜島噴火の映像は非常にインパクトがあり、導入として効果的だった。また、年間517回噴火しているなどの具体的な数字が示されることで、地域を知らない視聴者にも分かりやすく、説得力のある内容になっていた。
  • 鹿児島の降灰について、県民が灰への愛着を語る場面があったが、実際には生活上の苦労も大きいと思われる。灰が役立つ面を紹介することはよいが、全体としてややプラス面に偏っているようにも感じた。
  • 九州ブロックの系列各局が知恵を出し合い、ゴールデンタイムで2週連続放送の番組を共同制作したことは、手間も時間もかかる意欲的な挑戦であり、各局の強みを生かした非常に良い取り組みだった。
  • 猿から猿人、原人、ヒトへと進化するイラストも印象的だった。各テーマに合わせて坂を上っていたり、風呂おけやシャンプーを持っていたりと細かな工夫が施されており、見返しても楽しめる演出だった。
  • 事前準備や取材力は非常に高く評価できる。今回取り上げられた題材は、全国ネットではなかなか扱われない地域独自のものばかりであり、スタッフが日常の違和感を丁寧に掘り起こし、取材によって裏付けた成果だと感じた。また、県を越えた相互理解を促すという意味で、公共的な役割も果たしていたのではないか。地域文化を再発見し、自分たちの地域に誇りを持つきっかけをつくる、ローカル局の重要な役割の一つを果たしていた。
  • TVerでの見逃し配信があったことも意義深い。地上波では九州が中心となるが、TVerを通じて九州外の視聴者にも届き、九州の魅力発信に貢献した。県外で暮らす九州出身者にとっても懐かしく楽しめる内容だっただろう。
  • 珍しい風習を紹介するだけでなく、なぜその文化が生まれ、定着したのかを丁寧に取材していた点は高く評価できる。その上で、なぜその風習が隣県には広がらなかったのかという視点が一言でも加わると、番組としての価値がさらに高まったのではないか。
  • 熊本県については、なぜそこまで高校文化への愛着が強いのか、その背景についても知りたいと思った。
  • MCの人選も非常によかった。全国的な知名度がありながら福岡出身であることで、内輪向けにはならず、共感と客観性のバランスが取れていた。