番組向上への取り組み
番組審議会だより
第609回(2024年7月24日)
- 審議対象番組
- 「発見らくちゃく!学校に通ってみたい28歳小卒女性SP完全版」(制作部)
- 放送日時
- 2024年7月14日(日)15:00~16:00 放送
議事の概要
「発見らくちゃく!学校に通ってみたい28歳小卒女性SP完全版」
番組内容
県民参加型の視聴者応援バラエティ番組「発見らくちゃく!」。28歳の女性から「一度でいいから制服を着て学校に通ってみたい」と依頼を受けました。父の暴力から逃れるため海外へ渡航したものの現地で学校に通うことができず、帰国後も妹を養うために働き、憧れのパティシエになるべく入社した先はブラック企業・・・一時は死をも考えたという壮絶な人生を過ごしてきました。夫の支えを受け、今は笑顔で身の上を語れるようになった彼女のささやかな願いを叶えようと、番組では高校体験入学を全力でサポート。「学校に通ってみたい28歳小卒女性SP完全版」と題して、彼女の2日間の高校生活に密着しました。この作品は、福岡放送で初めてギャラクシー賞テレビ部門優秀賞を獲得しました。
委員のご意見
- 「発見らくちゃく!」の番組コンセプトは「あなたの願いを叶えます」ということだが、そのとおりだと思った。制作側から説明があった自分の過去や学生時代を重ね合わせて視聴してほしかったという意図が伝わっていた。
- 主人公の笑顔、受け入れた学校と学生、彼女を支える夫。また番組スタッフが会話の中に入っているような距離感でずっと撮影していて、視聴していると会話に引き込まれ、学校の一員のような気分になれた。
- 番組で階段を下るのがつらい病もあると教えられ、学校ほどバリアフリーが進んでいない公共施設は少ないのではないかと反省させられた。階段をはじめ段差やトイレ(男女比も含む)など、いわゆる若い健常者が前提に造られた施設が主流。得るところの多い番組だった。
- 「恋バナ」に夢中になる様子など、主人公は生徒同士の会話をとても楽しそうに聞いていて、喜びが表情にあふれていた。憧れていたテニス部での活動は、彼女にとって体力的には苛酷な内容だが、それでも体験したいとの思いが伝わってきた。学校生活で起こる仲間とのささいな出来事が幸せだと気づかせてくれる番組だった。
- 主人公の心の病は過去の話ではなく続いている。番組にとっても一定のリスクがあるチャレンジだっただろうが、最後のお別れの挨拶が本当に立派ですばらしかった。スタッフは予想以上に主人公がお話しされたことに驚かれたのではないか。
- 「発見らくちゃく!」は何が起きるか分からないというようなリスクもあるだろうが、視聴者参加型番組ならではの面白さやユニークさもあり、何より人を幸せにする内容の濃い番組に仕上がっていた。これからも頑張って制作していただきたい。