番組向上への取り組み

番組審議会だより
第604回(2024年2月20日)

審議対象番組
「NNNドキュメント’24 なぎちゃん 小児がんの少女と家族の9か月」(報道部)
放送日時
2024年1月28日(日)24:55~25:25 放送

議事の概要

「NNNドキュメント’24 なぎちゃん 小児がんの少女と家族の9か月」

番組内容

福岡県北九州市の加茂渚ちゃん、5歳。人なつっこく天真爛漫で、両親とお姉ちゃんから“なぎちゃん”と呼ばれています。そんななぎちゃんは小児がんの一種「小児脳幹部グリオーマ」と診断されました。2年後に生きていられる確率はわずか10%という厳しい病…。家族は悲しみと絶望に押し潰されそうになりながらも、なぎちゃんに寄り添いました。限りある時間を精いっぱい生きた少女と家族のかけがえのない9か月を見つめました。

委員のご意見

  • 小児がんや家族の死は非常に難しいテーマだと思うが、家族との信頼関係に基づき丁寧に取材され、過度に感動を誘うような演出はなく、視聴者にいろんなことを問いかける、とてもよい番組だった。
  • 子どもの死という重いテーマで、視聴者が家族を評価したり批判したりする事態も予想されたが、編集やナレーションなどきめ細やかに配慮されていた。
  • 訪問介護に携わる方の存在が家族のサポートになっていることがとてもよく伝わった。
  • 家族の死を通して、生きることについて深く考えさせられる、社会的意義の高い番組だった。スタッフの番組制作にかける思い、番組をつくり上げたことに敬意を表したい。
  • なぎちゃんと家族を取材するきっかけについて説明がなく、もやもや感が残った。このようなドキュメント番組で隠す必要はなく、簡単でいいので説明を入れるべき。
  • 「小児脳幹部グリオーマ」という病気は知らない方がほとんどではないか。家族が「この病気をもっと知ってもらい、将来これが治るように」と話している点からも、客観的な情報があったほうがよく、番組もさらにしっかりしたものになったのではないか。
  • 亡くなった後、小児がんの子どものために家族が募金活動をする様子は、未来につながるいい終わり方だった。視聴者が募金活動を知り、行動に移すきっかけにもなった。
  • 息を引き取った後のなぎちゃんの表情を映すかどうか、賛否あるかもしれない。御両親の了解を得て「ありのままを映してほしい」という気持ちを踏まえて使用したとの説明を聞き、個人的には否定的な意見には殊更に配慮すべき必要はないと考える。