番組向上への取り組み

番組審議会だより
第589回(2022年7月20日)

審議対象番組
「めんたいワイドスペシャル 博多祇園山笠追い山笠馴らし」(制作スポーツ局 制作部)
放送日時
2022年7月12日(火) 15:48~17:53放送

議事の概要

番組内容

博多に夏を告げる伝統の祭り、博多祇園山笠。新型コロナウイルスの影響で延期を強いられた舁き山笠行事が、3年ぶりに復活。「めんたいワイドスペシャル博多祇園山笠追い山笠馴らし」では、舁き山笠が櫛田入りし、博多の町を駆け抜ける瞬間を独占生中継。舁き山笠と飾り山笠の勇壮華麗な姿、3年ぶりに復活した山笠にかける熱い思い、さらに今年は新たに山笠発祥の地「承天寺」拝礼の瞬間も加え、山笠の魅力と迫力をお届けします。
*【出演】元木寛人アナウンサー・遠野愛アナウンサー ほか
*【解説】博多祇園山笠振興会 黒葛川雅広さん(つづらがわ・まさひろ)

委員のご意見

  • 3年ぶりの開催に向けた熱気が、現場あるいはスタジオからも伝わってきた。特に山笠の舁き手のスタート時の表情が、アスリートのような緊張感や気迫にみなぎり印象に残った。
  • 台上がりカメラの映像、山留め(スタート地点)で「これから出るぞ」という舁き手の真剣なまなざしや緊張感など、現地で見られない迫力映像に、テレビならではのよさを感じた。
  • 小さい子どもからお年寄りまで一体になって駆ける姿の中に、山笠が幅広い年代で受け入れられ、代々受け継がれているものなのだという伝統文化の魅力が伝わった。
  • 台上がりカメラや多元中継、地元タレント登場は5年前に審議した同番組でもあったが、今回は承天寺の拝礼を加えたほか、櫛田入りするときに実況をつけず、ありのままの姿を見せるなど、番組づくりもいろいろ工夫されていた。山笠中継も3年ぶりの復活となり、制作スキルを途絶えさせない工夫を、見えないところでいろいろされたのではないか。
  • 博多祇園山笠振興会の解説者が「コロナと対決できる祭り」「コロナをどうにかしたいという思いで行う奉納神事」と説明されていた。山笠は疫病退散を祈願する奉納神事が起源であることを知ると同時に、その神事がコロナという疫病によって2年間できなかったという皆さんの悔しい思いも十分に伝わった。
  • コースや流の紹介、山笠を制作した人形師やデザインの紹介、前回タイムの紹介など、コンパクトながらも解説が充実していてよかった。
  • 櫛田入りのルール、八番山笠・上川端通だけがなぜ「流(ながれ)」ではなく「通(とおり)」なのか、山笠の「表」と「見送り」の違い等々の説明がほとんどなく、山笠初心者向けの解説が足りなかったと感じた。
  • 舁き手(山笠を担ぐ人)や台上がりの映像はあったが、櫛田入りを見つめる観客の映像や、ごりょんさん(「舁き手の妻」をさす方言)の活躍ぶりがなかった。そういった見守る人たちにもう少し焦点を当ててもよかったのではないか。
  • せっかく空撮を出していたのに、空撮シーンが少なかった。山笠がコースを巡っている最中に、全体を視野に収めるような上空からの映像があったら、位置関係も分かり、映像としても面白い気がする。今後、ドローンから撮影できるようになれば、よりよい映像が撮れるのではないか。
  • 山笠が人を惹きつけているという事実は伝わったが、なぜ山笠に人々が惹きつけられるのか、もう少し掘り下げてもよかったのではないか。実際に参加してみないと本当のよさは分からないかもしれないが、関係者、特に舁き手に山笠の魅力について語ってもらう場があると、より魅力が伝わったのではないかと感じた。
  • たまたま第7波の到来と重なった。マスクをしていないたくさんの男性がすし詰め状態になっている映像が長時間流れることに、不安を感じた視聴者もいたのではないか。いろいろな感染対策を紹介していれば、視聴者も安心して見ることができたのではないか。全国の祭り関係者も、山笠でどんなコロナ対策をしたのか非常に興味があると思う。
  • マスクのせいで、解説者の声が聞きづらかった。マスクを外すのがいいかは迷われたと思うが、言葉をきちっと伝わるためには、フェースシールドのほうがよかったのではないか。