番組向上への取り組み
番組審議会だより
第587回(2022年5月17日)
- 審議方法
- 福岡県の新型コロナウイルス新規感染者数は依然として一日に2000人前後という状況のなか、5月初旬は3年ぶりに緊急事態宣言やまん延防止等重点措置のない大型連休を迎えた。人流が活発化したことで、その後の感染拡大が懸念されることから引き続き警戒し、書面による審議とした。
各委員からの書面は5月17日までに事務局に提出され、番組制作者が回答。事務局が質疑の形式にまとめた。
- 審議対象番組
- 「光石研☆松重豊☆鈴木浩介 俺達のノープラン×ドライブ3 ディレクターズカット版」(制作スポーツ局)
- 放送日時
- 2022年4月30日(土) 15:00~16:25放送(85分)
議事の概要
番組内容
ドラマや映画などで「脇役」に徹する名バイプレーヤー3人を「主役」に、2019・2020年に放送して大好評を博した旅バラエティのシリーズ第3弾。福岡出身の「仲良しおじさん」たちが貸し切りの観光バスで気ままにドライブ、今回は初めて福岡県を飛び出して湯布院・別府に遠征です。同郷で気心の知れた仲間ならではの、お茶目な素顔や福岡の方言で語られる故郷の思い出話や役者稼業の裏話はこの番組ならでは。サプライズで大分出身のユースケ・サンタマリアさんからメッセージが届き、おすすめスポット紹介も!また、別府からはシリーズ初の女優・板谷由夏さんが合流、トークもさらに彩り豊かに盛り上がります。そして、お決まりのジェットコースター挑戦、おじさんたちの運命やいかに?
*【出演】光石研 松重豊 鈴木浩介 板谷由夏 / ユースケ・サンタマリア(ビデオ出演)
※「ディレクターズカット版」は2022年1月29日に日本テレビ系列で全国放送された55分番組に、福岡ローカル限定で前回編集から漏れたシーンを追加収録したものです。
委員のご意見
- 有名人がぶらぶら歩く旅番組は多いが、歌手でもなく、芸人でもなく、個性的なバイプレーヤーが巡り歩くスタイルが新鮮に感じた。
- ユースケ・サンタマリアさんは大分出身だが、これからは福岡出身者という条件ではなく、九州出身者にも広げていいのでは。どういう人が出演するかはわからないが、さらにおもしろい展開が期待できるのではないか。
- この番組はローカル放送だが、1月の本放送では全国ネットだった。どういう場合にFBS福岡放送が制作した番組が全国放送になるのか。
- 嫌がる2人を無理やり遊園地に連れて行き、ジェットコースターに乗せるのも、今回が限界ではないか。
- やはり途中からゲストを加えないと、1時間半は飽きてくるのではないか。
- 3人のざっくばらんな関係と会話が面白く、板谷由夏さんが加わった後は少し雰囲気が変わって、全体としてよい展開だった。メインの3人が男性なので、今回のように女性のゲストを選んでもらえると、男女共同参画の観点からも望ましい。
- 光石さんは「高いところが苦手」、鈴木さんは「酔う」という理由で、2人ともジェットコースターが苦手のようだった。見ていて少し心配になったが、2人とも、「乗るのが辛くて仕方ない」という程度には至っていないと理解していいか?
- 暗いニュースが続く中で、光石研さん・松重豊さん・鈴木浩介さんらの和やかな雰囲気でのトークは、安心して楽しむことができた。
- 大分県出身のユースケ・サンタマリアさんがおすすめスポットとして、「亀の井別荘 湯の岳庵」、「茶房 天井棧敷」、「グランシア別府鉄輪」を紹介していたが、「ノープラン×ドライブ」という番組タイトルと逆行するような印象を受けた。あらかじめ決まっているコースを訪ねる番組のようだった。
- 出演者の、60歳から40代半ばという年齢構成も落ち着いていていいし、お笑い専門の芸人さんもいないので、無理に笑いを取りに来ることもなく、トークも淡々としていて、大人の雰囲気であった。
- 「別府 ラクテンチ」では光石さんが、「塚原の里」では松重さんが奢り役となっていた。あれは本当にご本人たちが支払ったのか?
- この3人で旅をするとしたら、公共交通機関を使って一般の人とも触れ合いながらの移動というのも面白いのではないか。
- 「取材交渉は出演者が行う」という趣旨について以前から疑問があったが、もし撮影が断られたり、お店から不快な対応をされたりした場合はどうするのかと、心配だ。
- 3人がいずれも福岡県出身で、会話のところどころに福岡弁が混じるところも、福岡の視聴者にはうれしかったのではないか。途中から特別ゲストとして加わった板谷由夏さんも含め、福岡県は役者の宝庫であることを改めて感じた。
- グランピング施設は「ウィズコロナ」の中で近年、注目されているだけに、別府の新たな名所になる可能性は高いように感じる。時間がなかったのだろうが、できれば、施設の温泉のリポートもしてもらえれば、さらによかった。
- よくグルメ番組では、食べ物を口に入れたとたんに味わう間もなく「おいしい」と大げさに表現することがあるが、特に松重さんは、「孤独のグルメ」に長く出演しているだけあって食し方もきれいだし、「天井桟敷」でのプリン試食では、コメントを求める声を「ちょっと待って」と遮りしっかり味わった上で、おいしさを語るところは「さすが」と感じた。
- 芸能人3人が、旅をしながら美味しいものを食べるという、最近ありがちな番組内容だった。しかしながら3人が醸し出す不思議な雰囲気やトークは、芸人さんのようなテンポの良さはないが、会話の内容に興味を惹かれる、そして面白いものであった。
- 全国ネット3回の視聴率、世代別・性別の内訳、「視聴者の声」、シリーズ化される魅力は、どこにあるのかを教えてほしい。