番組向上への取り組み

番組審議会だより
第579回(2021年7月21日)

審議対象番組
「めんたいワイド(4部)」(FBS制作スポーツ局制作)
放送日時
2021年6月18日(金)18:15~19:00放送
(番組枠は15:48~19:00 /日本テレビ『news every.』含む)

議事の概要

番組内容

1995年から続くFBSの看板番組「めんたいワイド」。月曜から金曜の夕方、地元のとっておき情報や天気・最新ニュースなど、楽しく、わかりやすくお届けしています。審議対象はその後半部分の「4部」。
4月からスタートした企画「松井貸します」は、MCの松井アナウンサーがスタジオを飛び出し、視聴者から寄せられた依頼に全力で応えるもの。今回はソフトバンクホークスが九州を元気にする活動「ファイト!九州 あなたの夢を叶えます!」プロジェクトとコラボし、中学生タカガールの「ホークスの公式ゲームで場内アナウンスをしたい」という夢の実現を全力でサポートしました。そのほか、ローカルニュース・スポーツ・天気・「はじめまして赤ちゃん」・視聴者投票の結果などを放送。
≪出演≫ 松井礼明・今村敦子 / 若林麻衣子・澤田泰佑・堀井よしみち(気象予報士) / コメンテーター:坂口孝則(経営コンサルタント)ほか。

委員のご意見

  • 福岡県のコロナウイルスの感染状況発表は遅いが、この4部の冒頭ですぐに発信されて、居住地別の状況はデータ放送で確認するようコメントがあった。速報性を大事にして番組で発信し、データ放送というツールを使いながら補完していく、そして4部後半のニュースの冒頭でまた詳細なコロナの状況を伝えるという、視聴者の知りたいことに寄り添った構成に感心した。
  • 短い天気予報の後、CMが長く、その後にまた詳しい天気予報があったが、ひょっとしたらCM中にもっと詳しい天気が知りたいと思ってチャンネルを変えてしまう人がいるのではないか。あえてCMの前に少しだけ天気予報を入れることは、ちょっと逆効果ではないか。
  • 「めんたいワイド」は早い時間から放送していて、視聴者が入ったり出たりという時間帯だ。18時台というのは仕事を終えた人が途中で入ってくると考えると、やっぱりニュースは気になるところなので、もうちょっと早い時間でもよいのではないか。
  • ワイプで放送中にゲストの方の表情が出るが、あれはどういう効果を目的に使ってあるのか、いつも疑問だ。「めんたいワイド」は、これをどのように使っているのか。
  • 全国やローカルのニュース・天気予報、それからいろんな街の地元の話題などがテンポよく提供されているという印象を持った。6時台にこういういい企画があると、チャンネルを合わせてよかったと、視聴者から思ってもらえるのではないか。こういう企画をうまく入れていくことが視聴者の心をつかむことにつながるのではないか。
  • 暗いニュースが放送されたとき、もしかしたら情報の時間と報道の時間は截然と分けられているべきという発想なのかとも思うが、報道の内容がスタジオに全く反映されないことに違和感があった。それはそういうものなのか、あるいはどういう背景でそういう番組構成になっているのか。
  • ローカルの情報はやっぱり必要だと思った。もちろんNHKでもローカルは入っているが、コロナの速報やスポーツ・ニュース、そういうものも含めて、NHKではなかなかここまで福岡のことに詳しくない。
  • お天気情報で、マークの位置関係に疑問を感じた。横書きの文字は左から右に読むため、時間も左から右に流れるイメージを持つ。マークの位置関係は検討を要する。
  • テレビ局のアナウンサーは発声の仕方や表情などを駆使して視聴者に最新ニュースを伝えていると思うが、プロ野球の場内アナウンスは普段よりも高く発声しているように感じた。スポーツ会場でアナウンサーが場内アナウンスをすることがあるが、発声の仕方の違いなど、気をつけていることがあるのか。
  • 今回の「松井貸します」は、コロナ禍が続き、特に子どもたちは行事がなくなったり、行動制限があったりで非常に寂しい思いをしている中、夢を叶えるいい企画だ。ぜひ、子どもたちに希望や夢を持ってもらえる番組をもっと作ってほしい。
  • 14歳の少女がホークスファンで、選手を勇気づけたいという思いから場内アナウンスをやってみたいと応募したそうだが、そのチャンスを手に入れた彼女がどう努力していくかにスポットがよく当たっていた。
  • 「ウラディミール・バレンティン」という、アナウンスに挑戦する彼女にとって、まさに非常に発音しにくい選手が巡ってくるという、筋書きのない野球の中で偶然が重なりながら、非常にドラマチックに番組ができていた。
  • 松井アナウンサーが、最初は厳しい指導をしながらも最後は後ろで見守っている姿が親のようで、何とか成功してほしいという様子にも共感でき、心温まった。構成も、最初の企画に当選したところから、アナウンスの特訓を経て本番に至るまで、ちょっとしたドキュメンタリー風に撮ってあることがよかった。
  • 単に名前が呼びにくいということは分かるが、「バレンティン」が苦手ということが強調されていて、その扱いがちょっと気の毒過ぎた。きつい言い方をすると、排他的に見えてしまう。排他的の意味は二つあって、一つは彼がホークスの生え抜きの選手ではないこと、あとは名前が普通の日本人の名前に比べたらちょっと変わっていることで、そこを気にする方がいるかもしれないので指摘しておく。
  • タイトルの「貸します」という表現が面白い。
  • 場内アナウンスの実現がサプライズで伝えられたが、ご両親と一緒に待っていたような感じなので、少し違和感があった。企画の趣旨・貞包さん親子が待っていた経緯の、短い説明が早い段階でなされてもよかった。
  • 場内アナウンスの特訓では、松井アナウンサーからは「自信と慣れによって早口にならないように気をつけること」、場内アナウンス担当のウグイス嬢からは、「思いを込めたアナウンスが大切であること」が助言されていた。それらを貞包さんは素直に吸収し、実際に場内アナウンスをしたときの発声は透き通るような声で、才能があると感心した。近くでサポートしていた佐々木さんの声かけで、貞包さんも自信を持って、適度な緊張感で挑戦することができたのではないか。
  • 「ケンミン投票めんたい調べ」は、「コロナ禍の中で支出が増えたかどうか」で、結果はちょっと意外に感じたが「増えた」というものだった。この調査はいつの時点でされたのかというタイミングの問題、何人ぐらいに質問されたのかというサンプル数、それと、増えたか減ったか、というのは比較対象があるわけだが、そこら辺は何か考えられているのか。