番組向上への取り組み
番組審議会だより
第563回(2019年12月18日)
- 審議対象番組
- 「目撃者f どげんかなる!平和台を創った男~岡部平太伝説~」(FBS報道局制作)
- 審議対象日
- 11月24日(日)
- 放送時間
- 25時35分~26時05分(11月25日(月)午前1時35分~2時05分)
議事の概要
番組内容
福岡市都心にある「平和台陸上競技場」をつくった糸島出身の岡部平太は、スポーツで平和な時代が築けると信じ、その普及に人生を捧げました。波乱万丈な生きざまとその功績について、関係者の証言と事実に基づいた再現シーンで振り返るドキュメントです。
*語り: 奥田幸治/ナレーター: 松吉ゆかり
委員のご意見
- 内容、構成、また細部にわたってすばらしく、完成度の高い作品だった。こういった地方発の上質な番組をもっとゴールデンタイムで放送してほしい。深夜の時間帯に放送するだけではもったいない。
- 岡部さんの数多くの日本初の偉業をテンポよく紹介されており、30分という限られた時間にもかかわらず、あまり詰め込まれた感じがなかった。むしろ新しい情報をたくさん得たことで、番組内で紹介された彼の伝記を読んでみたいと思った。
- 番組に詰め込まれた情報の量が多く、1回見ただけでは全てを理解することができず、消化不良になってしまう方もいるのではないか。岡部平太の功績を全て紹介するには30分という時間は短い。もう少し長ければより充実した内容になっていただろう。
- 家族を含めた写真を多用し、本人やご縁があった方々の肉声テープを使うなど、さまざまな角度から語られており、ドキュメンタリーとしてのリアリティーが増していた。
- スポーツは「争いではなく、競い合いだ」という言葉が印象的で、スポーツはみんながのめり込めるいいものだということを改めて知ることができてよかった。
- 岡部平太の地元・糸島の小学校の道徳の授業で、地元の偉人について学びつつ、「競技場をつくることで目指したのはどんな社会だったのか」という問いを通してスポーツと平和について考える様子は、番組の意図をうまくあらわしており、とてもよかった。また、歴史を子供たちに伝えるというメッセージにもなったと思う。
- 番組の中心である平和台陸上競技場を一人称の「私」で語らせる手法は、平和台の「平」の字が特攻で亡くなった岡部平太の長男、平一の名前にも由来するものであり、「私」という一人称が平一さんとも重なり合って効果を高めていた。
- 複数回にわたってオンエアした番組をつなぎ合わせたせいか、激動の時代を生きた福岡の偉人の紹介なのか、スポーツを通した平和の大切さを訴えたいのか、あるいは平和台競技場の歴史を紹介したいのか、ほんとうに伝えたかったコアとなるメッセージがぼやけていた。
- 番組後半の再現シーンが長いと感じた。もう少し岡部さんの確立したスポーツの基礎や平和台創設までの部分に時間を割いたほうがドキュメンタリーらしくなったと思う。ドラマはドラマとして別につくってほしい。
- 将来的に延長版としてつくり直すのであれば、岡部平太と嘉納治五郎の関係をもっと掘り下げてほしい。そのほうが、一流の人同士で心通うものがあったことが伝わると思う。