番組向上への取り組み

番組審議会だより
第562回(2019年11月20日)

審議対象番組
「九州1周ヤマトホ!」(FBS制作)
審議対象日
11月9日(土)
放送時間
午前9時30分~10時30分

議事の概要

(イ)審議番組

番組内容

九州各県の自然公園を経由する九州自然歩道2936.9キロの道のりを、1年かけて踏破に挑戦する二人の無名若手芸人。美しい山々の景色と、道中でのサバイバルや里山の人々との触れ合いを通して若者が成長する姿を見ることができる、ドキュメント番組です。
*出演:西村哲耶・下村尚輝(ムラビト)/MC兼見届け人: 金子貴俊・伊藤舞

委員のご意見

  • 若手芸人二人の人間模様もすばらしい大自然の描写も、どちらも中途半端だったような印象を受け、何に重点を置いているのかが伝わってこなかった。
  • 山に関しては知らないこともあって、スタジオでのコメントや説明が入ったり、地図が出てきたりしたので、少しはわかりやすくはなった。ナレーションも上手だった。
  • 熊本地震でダメージを受けた所がこんなふうにして歩けるようになったとか、復活したとか、そういうことが出てくるとよかった。
  • 二人が初めてコンビになって人間的に交流していく中で、どういうふうに信頼関係をつくっていくかが見られた。特に体力面できつい場面では、コンビ解散になりかねないような雰囲気もあったが、最後は信頼感が生まれたようでよかった。
  • スズメバチの場面では、本人たちは「無理してでも行こうか」みたいな感じだったが、プロのガイドが本気で逃げ、素人判断の非常に怖いところを教えてもらえたようで、よかったと思う。
  • 二人が危なっかしいせいか、フォローするような内容のコメントが多くて、二人の心理的な葛藤とか、そういうのにマッチしていないようで違和感があった。もう少しきついコメントでもよかったのではないか。
  • M-1に挑戦して結果として予選敗退したが、この部分は番組の趣旨からして本当に必要だったのか。何が二人の背中を押したのか、など番組を見る限りでは最後までわからなかったので、ちょっと物足りなかった。番組の本質からは外れるかもしれないが、もう少し、ネタづくりにかける苦労を描いたほうがよかったのかもしれない。
  • 二人の行程とは別にレストランの紹介があり、食事の場面は確かにおいしそうであったが、番組全体の流れからやや唐突であまり脈絡がなく、そこの部分だけ浮き上がっていたような印象がある。
  • 後半の菊池渓谷や根子岳のところは、わりと詳しく取り上げられて、最後の映像がドローンを使って撮影された非常にいい映像が出ていただけに、前半の登山シーンについてはもう少し丁寧に紹介されてもよかったのではないか。
  • 見続けている方ならいいだろうが、初めて見る方にはどういう番組なのかがそもそもよくわからないと思うので、冒頭に前回までのあらすじなど、説明を入れたほうがいいと思った。
  • この手の番組だと、芸人二人を中心に据えていることもあり、ありふれた言い方だが『笑いと感動』のようなものが欲しい。ただ、そういったものがほとんど感じられず、ストーリーに抑揚があまりないように感じた。
  • 山歩きの楽しさを伝えるということであれば、山飯とか出会う人との交流といった点をもっと増やしたほうがいい。描かれてはいたが表面的で、あまり印象に残らなかった。
  • 山歩きの楽しさ・景色のすばらしさを伝えることに重点が置かれているのか、その過程で出会う人たちとの交流・ぬくもりといったような人間ドラマを描きたいのか、非常に中途半端な印象で、番組の狙いやコンセプトがわからず、何を見せようとしているのか理解できない。
  • 本人たちが書いた直筆の日記がテロップとして出てきて、あまり上手ではない字だが、何となくいい効果があったのではないか。
  • ドローンによる空撮は、自然の壮大さとか山の頂を印象づけるのに効果的だ。
  • アプリのYAMAP、ユーチューブなど、多様な媒体を使われて番組以外の部分でフォローしているのは非常によいと思う。「興味を持った人はもっと探れる」という意味で、おもしろいアイデアだ。
  • 「九州自然歩道」というのが40年位前に整備されていることを、驚きを持って知った。
  • 1年間にわたって九州自然歩道を歩くということで、出演者の二人もさることながら、同行するスタッフの方もものすごく大変だと思う。
  • 九州一周という旅がただの「空間移動の旅」だとして、もう一つ、芸人としての成長というのが大げさかもしれないが「人生という旅」であるとしたら、この番組ではこの二つの意味の旅をどういうふうに関連づけているのだろうか。