番組向上への取り組み

番組審議会だより
第545回(平成30年4月18日)

審議対象番組
目撃者f おうちに帰ろう ~密着 小児専門訪問看護師~(FBS制作)
審議対象日
4月1日(日)
放送時間
25時30分~26時00分<4月2日(月)午前1時30分~2時00分>

議事の概要

番組内容

ローカルドキュメント番組として、毎月1回、日曜日深夜に放送している「目撃者f」。 今回のテーマは、重い病気や障害を持って生まれた子供たちが、病院のNICU・新生児集中治療室を退院後、家族と自宅で暮らせるようにサポートする小児専門訪問看護師。福岡県水巻町に暮らす、重い障害を持つ2歳の男の子「きっちゃん」をきっかけに子供専門の訪問ステーション「にこり」を立ち上げた松丸実奈さんの姿を通して医療的なケアが必要な子供と家族の現状に迫ります。

委員のご意見

  • 「医療的ケア児」という言葉自体を番組で初めて知った。さまざまな医療機器が置かれた部屋の映像からも、大変さは一目瞭然で、苦労をしても子供と一緒に自宅で生活したい、子供に家族の生活を味あわせてあげたいという親御さんの切実な願いと気持ちが伝わってきた。
  • 30分という短い番組だったが、深く濃い内容で、よい番組だった。この話題は、マスコミこそが取り上げ続けなければいけないものだと思うので、今後もシリーズ化し、続編、続々編を見ていきたいと思った。
  • 若林アナのナレーションが、子供の母を感じさせるトーンで心地よく耳に入ってきた。
  • こういうテーマにフォーカスをあてていただいたことは、非常にありがたいと思った。お母さんの愛情が感じられ、家族と一緒にいるということは、医療ではできない部分で、家族と一緒に過ごす時間を作ってあげ、頑張っておられることはよいと思った。
  • 「おうちに帰れるサポートがしたい」「生きていくところは病院じゃない」「おうちに帰って一緒に楽しいことしようよ」「生きるって楽しいよ」などと言った松丸さんの言葉が非常に心に響いた。
  • 医療的ケア児、NICU、小児専門訪問看護師、支援施設といった非常に専門的で、普段、接することのないものを紹介し、また、過酷な家庭、医療現場があるんだということを紹介した、非常に有意義な番組だった。
  • 重い内容であるにもかかわらず、若林アナのナレーションが温かいのと、松丸さんの人柄が温かいのとで、ほんわかした雰囲気に終わったのは救いだと思った。
  • 医療的ケア児は、最近増えていて、メディアでも取り上げられるようになってきた。テーマとしてはタイムリーで、「医療的ケア児」という言葉自体が、聞き慣れない言葉でもあり、番組でしっかり伝えたのはよかった。
  • 番組が30分なので、実例を紹介するだけのヒューマンタッチに終わってしまい、番組が緩くなる感じだった。もう少し根本となるデータをしっかり示した方がよかった。
  • 行政や政治の政策や予算組みなど、どこに不具合があるのかについて、もう少し言及があれば、なおよかった。
  • 医療的ケア児を持つお母さんに限らず、子供を持って働いているお母さんが、勇気付けられる番組で、子育てをひとりで抱え込む必要はない、家族もいれば社会的なケアも準備され、社会全体で支えるということを伝えられたことは、非常によかった。
  • 「にこり」のように困っている人を助ける有意義な事業は、長く続いてもらいたいと願うが、経営的に成り立っていくのか気になった。
  • 訪問看護ステーションへの公的援助、行政のサポートなど制度的な説明や解説が、もう少し詳しくあったほうがよかった。1回だけの単発に終わらず、みなさんからの指摘を踏まえ、また違った角度から継続的に取り組んでいただきたい。