番組向上への取り組み
番組審議会だより
第538回(平成29年9月20日)
- 審議対象番組
- 忘れられた宝物~沖ノ島からのメッセージ~(FBS制作)
- 審議対象日
- 8月12日(土)
- 放送時間
- 10時30分~11時25分
議事の概要
番組内容
玄界灘の真っただ中にある絶海の孤島、沖ノ島。古代から“神宿る島”として崇められ守られてきた沖ノ島。番組では国際宗像研究会に所属する九州大学訪問研究員のリンジー・デウィット博士を起用し、謎に包まれた“神の島”の遥かなる歴史を辿り、その謎とロマンに迫り、未来へのメッセージを読み解きます。
委員のご意見
- 非の打ち所のない素晴らしい番組で、神話と史実とが絡み合う何百年単位の難しい題材を 上手く説明し子供でも分かるように出来上がっていた。
- 世界遺産に認定された宗像大社に関して、学問的見地からも上質の番組になっていた。
- 外国人しかも女性の研究者を番組の中心に据え、九州大学の西谷先生や宗像大社の宮司、大島の漁師との対話の中で、沖ノ島の謎を解き明かしていく流れは新鮮味があって良かった。
- 作品全体を通して映像が美しく神秘的で、柄本明のナレーションも良かった。
- 沖ノ島とボロブドゥール遺跡の関連性を忘れられた遺跡とする背景、原因が根本的に違うのではないかと思った。沖ノ島がなぜ忘れられたかという疑問や仮説に対する裏付けに納得する回答は得られなかった。
- 番組タイトルは、忘れられた宝物ではなくて、守られてきた宝物という方が良いのではないかと感じた。
- 柄本明のナレーションは安心感があり、なるほどという気持ちにさせられ、ナレーションの力は大事だなと思った。
- 番組の主題の設定が失敗だと思った。忘れられたとか歴史の表舞台から姿を消したという表現が、抽象的で定義できないことを主題に設定していること、女性研究者のデウィットさんの仮説に基づく設定で、主旨として破綻していたのではないかと思った。
- 神聖で神秘的な歴史を紐解いていく番組で、ナレーターに柄本明が起用されていて、趣のある語り口、声のトーンが絶妙で、番組を格調高いものにしていた。
- 沖ノ島の価値を紹介するという意味では大変面白く、歴史的価値も丁寧に説明されていて、視聴者もよく理解できたと思う。
- 沖ノ島という日本の遺跡にアメリカ出身の女性研究者という異質な人物を持ってきた視点は、仕掛けとしては面白かったが、彼女の仮説に拘泥しすぎた印象が否めなかった。