番組向上への取り組み

番組審議会だより
第495回(平成25年10月16日)

審議対象番組
目撃者f もう死なせない~児童虐待対応班の270日~(FBS制作・九州5局ネット)
審議対象日
9月29日(日)
放送時間
25時20分~26時15分[9月30日(月)午前1時20分~2時15分]

議事の概要

番組内容

「目撃者f」は、1996年から月1回制作しているドキュメンタリー番組です。今回は福岡市の児童相談所のベテラン職員の活動を中心に虐待の現状に迫りました。

委員のご意見

  • 昨年472件の虐待で32人が死亡しているという数字の重み、冒頭から提示される虐待の傷跡の痛々しさ、職権保護の現場の緊迫感、職員の熱意と職務の困難さが生々しく伝わり、見ごたえあるドキュメンタリーだという感想でした。職員が異動で変わっていき、専門家が少ないという態勢の弱さ、1人が抱える案件が過剰に多いことなど、行政の側の問題点も良く分かったということです。
  • 取材や構成についても、困難さを職員たちに直接語らせるのではなく、周囲の事情を丁寧に取材することで浮き彫りにできている、腰を据えた長期取材の成果が良く出ていると認められました。
  • 一方で虐待を取り巻く環境の全体像が見えにくく、多くの問題が次々に提示されたために焦点が分かりにくくなった面もあり、もう少し詳しく掘り下げた内容を見たいところもあったという要望もありました。
  • 「ZIPの意味が分からなかった」「ZIPを放送していない局の県が登場しないことが放送では分からず疑問だった」「九州がばらばらな感じがして、芯になるものがほしかった」「手にクリームを絞って載せたのが気になった」という指摘もありました。
  • 多くの人に問題を知ってもらえたことは大変意義があり、今回の番組を見ると虐待対応が主人公的立場のベテラン職員に負うところが大きいので、今後がどうなっていくのかはぜひ取材を続けてほしいと期待されました。