
2020.05.21
『有吉の壁』に視聴者投票で第1位に輝いたあのキャラが復活! 辛口評価のなかに有吉の信念を垣間見た!
すっきりしない曇り空に梅雨入りの足音を感じる昨今。一連の新型コロナウイルス騒動にも少しだけ出口が見え始めています。とはいえ、ここで気を緩めず、適度な緊張は今後も保っていかなければいけません。
そんななか、放送された『有吉の壁』が相変わらず好評です。深夜枠からゴールデンへの進出を不安視する声も当初はありましたが、それを見事に払拭した形になりますね。基本的な構成は毎回同じなのですが、街に芸人たちを解き放つという自由度や、統一したテーマを持たせることでかえって際立つ芸人たちの個性が視聴者を飽きさせません。さらにさまざまな世代の芸人たちが集まることで、幅広い年代の視聴者に受け入れられているのも、番組の人気を支える要因でしょう。
どこかのニュースでマツコ・デラックスさんが「不要不急とはあたしのこと」とタレントとしての現在の立場を自虐的に語っていたのを見ました。いやいや不要どころか、こんな時期だからこそ笑いが必要だという人も多いと思います。一日のなかで「笑う」時間は食事や睡眠と同じくらい重要と思っています。世の中には一人暮らしで共に過ごす人たちがいない人もたくさんいるわけで、そんな人たちにとっては、テレビ、ことバラエティは一服の清涼剤として欠かせないものであるはずです。
再放送でも爆笑必至!
ここ数回は過去の再編集も加えながらの番組構成となっています。今回放送されたのは、福島県の「スパリゾート・ハワイアンズ」で収録された「おもしろハワイアンズの人選手権」。僕にとって2度目の視聴でしたが、アキラ100%さんはいつものお盆でなくお玉でタマを隠すわ、阿佐ヶ谷姉妹はエグみ漂う水着姿を披露するわで、再び腹筋崩壊させられました。自粛生活で緩んだお腹にはちょうどよかったかもしれませんが。
また、舞台となった「スパリゾート・ハワイアンズ」は震災で被害を受けた福島県の復興のシンボルでもあり、この場所の復活は、今のこの状況に心強さと勇気を与えてくれます。それを狙っての再放送であったのかもしれません。
視聴者投票第1位も有吉は不満?
番組後半は、「ブレイクしそうなキャラ芸人選手権」。チョコプラの勢いが止まりません。「TT兄弟」に続き、「Mr.パーカーJr」は早くもネットを中心に話題となっており、ブレイク間近。家でパーカーをかぶってはしゃぐ子供たちが目に浮かびます。
それにしても芸人たちのメンタルの強さは、感心を通し越してあやうく感動しそうになります。そんな番組ではないんですが(笑)。この企画では、芸人たちにとってチャレンジとなるネタばかりなのですが、それだけに、もちろん失敗もするわけです。「やっちまった」と思わせるネタ(ワタリさんw)もありますが、芸人たちからは、多少の“スベリ”などものともしない逞しさを感じます。生き馬の目を抜くような芸能界で生き残りをかける芸人たちのハングリーさと覚悟の賜物でしょうか。
また、過去に披露されたものの、ブレイクできなかったキャラに再度チャンスを与えようと行われた「ブレイク芸人総選挙」の結果も発表されました。第1位は、タイムマシーン3号の「鬼ギャルゾンビ」。ゾンビなので復活というのも微妙ですが、見事な復活です。「いい墓掘ってんね~」という“キモリズミカル”なフレーズが耳に残ります。TT兄弟やパラパラおじさんのごとく、今後のブレイクが期待されます。
ところが、番組MCの有吉さんはこのネタにあえての「×」評価。「自分を持つ」「多数派に流されない」と視聴者投票に左右されない姿勢を貫きました。どこか斜に構えた自身のキャラもあるでしょうが、僕は「猿岩石」のブレイクをリアルに見ていた世代なので、「自分を持つ」という言葉に妙な重みを感じます。もちろん、番組中の流れで発した言葉であり、そこまで深い意味はないのでしょうが、有吉さんは「猿岩石」として一生を風靡したものの、その後は長く不遇な時代を過ごした苦労人。そんななかでも自分を持って腐らず、復活を果たしたからこそ、その言葉にはチープさを感じないのです。最近は「同調圧力」という言葉が取り沙汰されていますが、「自分を持つ」ことでそれに負けるな!というメッセージも実は込められているかもしれません。いや、そんなわけないか。
というか、この番組でこんなことを考えるって自分でもおかしい。とある哲学者が「不幸が真理に至る道」と説いたように、やはり困難な状況は人を哲学者にするのでしょうか。『有吉の壁』、今の僕には心地よく、そして深すぎます。
イラスト 鎌田かまを
そんななか、放送された『有吉の壁』が相変わらず好評です。深夜枠からゴールデンへの進出を不安視する声も当初はありましたが、それを見事に払拭した形になりますね。基本的な構成は毎回同じなのですが、街に芸人たちを解き放つという自由度や、統一したテーマを持たせることでかえって際立つ芸人たちの個性が視聴者を飽きさせません。さらにさまざまな世代の芸人たちが集まることで、幅広い年代の視聴者に受け入れられているのも、番組の人気を支える要因でしょう。
どこかのニュースでマツコ・デラックスさんが「不要不急とはあたしのこと」とタレントとしての現在の立場を自虐的に語っていたのを見ました。いやいや不要どころか、こんな時期だからこそ笑いが必要だという人も多いと思います。一日のなかで「笑う」時間は食事や睡眠と同じくらい重要と思っています。世の中には一人暮らしで共に過ごす人たちがいない人もたくさんいるわけで、そんな人たちにとっては、テレビ、ことバラエティは一服の清涼剤として欠かせないものであるはずです。
再放送でも爆笑必至!
ここ数回は過去の再編集も加えながらの番組構成となっています。今回放送されたのは、福島県の「スパリゾート・ハワイアンズ」で収録された「おもしろハワイアンズの人選手権」。僕にとって2度目の視聴でしたが、アキラ100%さんはいつものお盆でなくお玉でタマを隠すわ、阿佐ヶ谷姉妹はエグみ漂う水着姿を披露するわで、再び腹筋崩壊させられました。自粛生活で緩んだお腹にはちょうどよかったかもしれませんが。
また、舞台となった「スパリゾート・ハワイアンズ」は震災で被害を受けた福島県の復興のシンボルでもあり、この場所の復活は、今のこの状況に心強さと勇気を与えてくれます。それを狙っての再放送であったのかもしれません。
視聴者投票第1位も有吉は不満?
番組後半は、「ブレイクしそうなキャラ芸人選手権」。チョコプラの勢いが止まりません。「TT兄弟」に続き、「Mr.パーカーJr」は早くもネットを中心に話題となっており、ブレイク間近。家でパーカーをかぶってはしゃぐ子供たちが目に浮かびます。
それにしても芸人たちのメンタルの強さは、感心を通し越してあやうく感動しそうになります。そんな番組ではないんですが(笑)。この企画では、芸人たちにとってチャレンジとなるネタばかりなのですが、それだけに、もちろん失敗もするわけです。「やっちまった」と思わせるネタ(ワタリさんw)もありますが、芸人たちからは、多少の“スベリ”などものともしない逞しさを感じます。生き馬の目を抜くような芸能界で生き残りをかける芸人たちのハングリーさと覚悟の賜物でしょうか。
また、過去に披露されたものの、ブレイクできなかったキャラに再度チャンスを与えようと行われた「ブレイク芸人総選挙」の結果も発表されました。第1位は、タイムマシーン3号の「鬼ギャルゾンビ」。ゾンビなので復活というのも微妙ですが、見事な復活です。「いい墓掘ってんね~」という“キモリズミカル”なフレーズが耳に残ります。TT兄弟やパラパラおじさんのごとく、今後のブレイクが期待されます。
ところが、番組MCの有吉さんはこのネタにあえての「×」評価。「自分を持つ」「多数派に流されない」と視聴者投票に左右されない姿勢を貫きました。どこか斜に構えた自身のキャラもあるでしょうが、僕は「猿岩石」のブレイクをリアルに見ていた世代なので、「自分を持つ」という言葉に妙な重みを感じます。もちろん、番組中の流れで発した言葉であり、そこまで深い意味はないのでしょうが、有吉さんは「猿岩石」として一生を風靡したものの、その後は長く不遇な時代を過ごした苦労人。そんななかでも自分を持って腐らず、復活を果たしたからこそ、その言葉にはチープさを感じないのです。最近は「同調圧力」という言葉が取り沙汰されていますが、「自分を持つ」ことでそれに負けるな!というメッセージも実は込められているかもしれません。いや、そんなわけないか。
というか、この番組でこんなことを考えるって自分でもおかしい。とある哲学者が「不幸が真理に至る道」と説いたように、やはり困難な状況は人を哲学者にするのでしょうか。『有吉の壁』、今の僕には心地よく、そして深すぎます。
