金色のアスリート

放送内容

2019.2.23 OA

柳田 瑞季(ウエイトリフティング)

「うあー!」
「うあー!うーん!」


より重いバーベルを持ち上げる…
シンプルで、勝負は一瞬。
ウエイトリフティング49キロ級、
柳田瑞季(やなぎだ・みずき)

全日本を制し、目指すは、東京オリンピック
そこに立ちはだかる…
「壁」

誰よりも強く。
世界と戦うために。

努力は裏切らない
努力すれば必ず報われる
(目標は)東京オリンピックに出場してメダルを獲得すること

北九州市の九州国際大学。

潮田:すみません、練習中に初めまして。こんにちは潮田です。よろしくお願いします。

潮田:私166センチくらい
柳田:151です。たぶん潮田さんくらいだったらあげれる
潮田:わー!すごーい! 旦那にもやってもらったことないので 人生初めてのお姫様だっこが
柳田:私でよかった?
潮田:もちろんですよ~

柔道部だった中学時代、ケガに悩まされました。
高校入学を機にウエイトリフティングに転向。
わずか3か月で全国大会に出場しました。

潮田:ウエイトリフティングを始めて割と早く全国大会に出場した どんな気持ち?
柳田:実際実感がない。ふわふわしている。数字が関わる競技。きょう1キロ伸びた、2キロ伸びた数字でわかる。努力した分が数字でわかるのがすごくいいところ。

順調に成長を続け、おととし、全日本で初めての優勝。
日本ランキング1位に躍り出ます!
スナッチとジャークを3回ずつ行うウエイトリフティング。
ベスト記録の合計で競います。
スナッチは、バーベルを一気に頭上まで持ち上げ、そのまま立ち上がります。
ジャークは、バーベルを肩まで引き上げてから立ち上がり、一気に頭上へ持ち上げます。

潮田:ここの太さすごい! こことか筋肉ふつうつかないですからね。すごーい! かっこよすぎる!

柳田選手の強みは、技術の高さ!

柳田:(バーベルが)体から離れないように自分の近くを通して引くのが一番軽くあがる

力を無駄なく使えるフォーム、それが彼女は常に安定しています。
バーベルを何度持ち上げても、ほぼ同じ軌道を描きます。

監督:センスがすごくいい。強みっていうか、最終姿勢が一番大事。その姿勢が無駄のない動きでできる。彼女の良いところですね。

Q:柳田選手の車?
柳田:はい。ピンクが好きなので。

北九州市出身の柳田選手。
大学には、自宅から通っています。
実家は、針療院。
毎日の体のケアは、
はり師の父、浩稔(ヒロトシ)さんの担当です。

バランスは… 悪くはない?
左右のバランスはまぁまぁいい

練習漬けの毎日の中、大好きな家族と過ごす時間が貴重な息抜きです。
両親:破天荒。破天荒。(2歳のころ)モノレールのつり輪にぶら下がって逆さになったりわーって言われた。お客さんから。力はあったね。確かに。やっとこの子に向いたことに出会えたかなケガをしないでね。奇跡を起こしてほしい

そこには、超えなければならない壁が…

リオオリンピック、銅メダリストの三宅宏実(ミヤケヒロミ)選手です。
リオオリンピックのあと、腰痛の治療に専念していましたが、去年、公式戦に復帰しました。

三宅:(柳田選手が)いいものを持っている強い選手。一緒に練習すると刺激をもらうし、私ももっと頑張らないとなと刺激をもらう

三宅選手と直接対決となった去年の全日本。
柳田選手は、スナッチのミスで記録が伸びず3位…。
その強さを見せつけられました。

柳田:やっぱり強さを本当に近くで見て感じた
潮田:何が違うなと思った?
柳田:うちから出てくるパワー
潮田:自分の経験だとその選手に勝つイメージができないと勝てない。憧れだった人がライバルになりその人を超えるためにってなると、すごいエネルギーとその人以上の努力が必要。
柳田:近づいてはいるのでいつかは抜きたいなと

三宅選手を超えるため…
いまの課題は、自己ベストの更新です。
目標は、トータル176キロ。
いまだ公式戦であげたことはありません。
オリンピック選考前の国内大会で、記録更新を狙います。

「うあー!」

重さに耐えきれず、失敗。
記録は伸びず、結果は目標の176キロより10キロも下回りました。

「もうちょっといけたかな…スナッチが特に。悔しい…」

さらに上を目指すため…。
強化しているのが”下半身”です。
ウエイトリフティングは、パワーに加え重要なのが、実は「瞬発力」。
地面を蹴る反動で重りを引き上げる、足の“バネ”の強化を続けてきました。

そして去年12月。
東京オリンピック出場をかけた選考レースが、いよいよ始まりました。

中東・アラビア半島に位置する、カタール。
去年12月に開かれたウエイトリフティングのカタールカップ。
柳田選手にとって、初めての東京オリンピック選考大会です。

この大会で、自己ベスト・176キロを狙います。
すでに始まっている選考レース。

国際連盟が定めた6つ以上の世界大会に出場し、成績上位4大会の合計ポイントで競います。
49キロ級の日本代表の枠は、1つ。

「あい!」

まずは、スナッチ。自己ベスト78キロ…

成功!

きれいに頭上まで持ち上げ、スナッチの自己ベストを達成します。
ジャーク、93キロを持ち上げ、2回目。自己ベストの98キロ…!

失敗…。
鍛えてきた下半身を生かしきれません…

残されたチャンスは…
あと1回。

「あーい!!」

成功!!!

「ありがとうございました!」

見事98キロを持ち上げ、初めて公式戦で、自己ベスト・176キロを達成しました!

「よかった…怖かった…」

3位に入賞、笑顔がこぼれます。

潮田:今後につながる感触はありました?
柳田:自信は結構つきました。ここでやらないと行けないって時にしっかり結果が残せたので、着実に記録を伸ばして三宅選手に勝って、オリンピックにでたいと思います。

東京オリンピックまで、1年半。
ニューヒロインを目指す、柳田選手の挑戦が続きます。